ビューティー・テック

バーチャル試着アプリについて知っておくべきこと

SHARE.

バーチャル試着アプリについて知っておくべきこと

ネットショッピングが主流になってきた今、バーチャル試着・メイクアップアプリがファッション・美容業界を変革し、活性化させています。高度な人工学習とAIを組み合わせたバーチャル試着アプリは、一人一人にパーソナライズされた美容体験を提供でき、ファッションや美容に関心度の高いユーザーが行く先々で利用することができます。

バーチャル試着アプリとは?

バーチャル試着アプリや、メイクアップアプリは、InstagramやSnapchatなどの”フィルター”から派生して生まれたものです。これらのフィルターは、顔認識アルゴリズムとAIを使用して、写真やビデオに画像を重ねて配置します。現在ファッションや美容の小売店向けに制作されたバーチャル試着アプリはこれらの技術をさらに進化させたもので、有名な美容ブランドL’Orealが開発したPerfect CorpのYouCamやModifaceなどの人気アプリはAIと画像編集ツールを組み合わせたものになります。

バーチャル試着アプリでユーザーはさまざまな化粧品、髪の色やスタイル、マニキュアを体験することができます。また複数の商品を組み合わせていつもと違った自分に変身することができ、さらに気に入った写真はフォルダーに保存することができます。自分にぴったりな商品があった場合はアプリから直接購入することも可能です。

大手バーチャル試着アプリは美容ブランドやファッションブランドと連携しているため、アプリユーザーが自分で見つけたり試したりするよりも多くの製品を試すことができます。例えば、YouCamは250以上の化粧品ブランドの製品を取り揃えており、ユーザーは30秒未満で30本の口紅を試すことができます。多くの人気アプリには、ライブの美容チュートリアルや、ユーザーがお気に入りのルックを投稿し、ファッションのヒントやインスピレーションを共有することができるコミュニティ機能などが備わっています。

バーチャルコスメアプリ、美容、化粧

バーチャル試着アプリの使用方法

バーチャル試着アプリは、GooglePlayやAppleStoreなどで利用できます。基本バージョンは無料でダウンロードでき、すべての必須ツールと幅広い美容製品やプリセットへのアクセスが含まれていますが、追加機能を備えたプレミアムバージョンもあります。すべてのアプリにアプリ内購入機能があるため、ユーザーは気に入った商品をすぐに購入することができます。

アプリをインストールすると、まずプロフィール情報を設定し写真や動画をアップロードすることができるようになります。顔認識アルゴリズムによって顔のパーツが認識され、目や唇などのパーツに選択した商品を塗ることができます。 ユーザーはタップで色やスタイル、照明を変更したり、お気に入りの1枚をライブラリに保存したり、共有したりすることができます。

バーチャル試着アプリの中には、メイク以外にも体型を修正するための写真編集ツールもあります。ユーザーはウエストをスリムにしたり、顎や鼻の形を変えたり、バストサイズを変えるなどして理想の外見を再現することができます。さらに、その画像にアプリ内のメイクを適用することも可能です。

 

バーチャル試着アプリのユーザー層

バーチャル試着アプリは元々SNSから発生したものであるため、若い女性やデジタルネイティブ世代をターゲットにしています。最近では、美容やファッションのメーカーも積極的にバーチャル試着アプリを取り入れています。人気の無料試着アプリには以下のようなものがあります。

YouCam

7億回以上ダウンロードされているPerfect CorpのYouCamは、無料のバーチャル試着アプリのトップシェアを誇っています。AndroidとiOSの両方で人気のあるアプリには、肌の健康状態の分析、特別な日のメイクアップパレット、世界中の主要な化粧品ブランドのラインナップに加えて、メイクアップやアクセサリーの試着ツールと機能が充実しています。

RetouchMe

Retouch Me Body Face Editorは、試着ツール、顔のパーツおよび体系の編集ツールが備わった人気のAndroidアプリです。RetouchMeはまた、プロによる写真編集サービスを提供しており15分以内に完成画像を見ることができます。

Makeup Plus

Makeup Plus for iPhoneは、化粧品、ヘアスタイル、カラーのメイクアップオプションとプリセットルックを提供しています。様々な美容ブランドの製品を試したり、様々なフィルターを使用して洗練されたセルフィーを撮ることができます。 Makeup Plusには、ビデオメイクアップチュートリアルや写真やビデオを共有するためのオプションも含まれています。

バーチャル試着はメイクアップに限ったことではありません。ファッションや美容のメーカーも、店舗のウェブサイトやeコマースサイトを通じて、独自のバーチャル試着アプリを提供しています。さらには、オンラインのメガネショップZenni、スポーツメーカーのNike、ジュエリーメーカーのDiamond Hedgeも、バーチャル試着オプションを導入しています。

バーチャル試着アプリ、SNS、ビューティー

バーチャル試着アプリの長所と短所

バーチャル試着アプリを導入することで、ブランドはこれまで以上に多くのユーザーに自社の製品を届けることができます。 バーチャル試着アプリを利用したユーザーは、アプリを利用していないユーザーと比較すると購入金額が2倍以上となる傾向があることが分かっています。

また、ユーザーが試着して気に入った商品を購入できるだけでなく、メーカー側もイメージ違いによる返品が減るというメリットもあります。

しかし、試着アプリには危険な側面もあります。ほとんどのアプリには、ユーザーが写真や動画を共有したりコメントしたりできるソーシャルメディアの要素があり、誰でもコメントすることができるため、いじめやストーカー行為などに発展してしまう可能性があります。

他にも、RetouchMeのようなアプリは、太ももを細くしたり、笑顔を広げたり、ヒップを形作ったり理想の自分を作るためのツールを備えているため、現実と理想の境界線が曖昧になってしまうといった懸念もあります。また、セキュリティ対策がほとんどされていないバーチャル試着アプリは、個人情報を危険にさらす可能性もあります。

試着アプリは、いつでもどこでもパーソナライズされたショッピング体験を提供します。無料で使いやすいこれらのツールは、洗練されたAIと拡張現実技術の組み合わせにより、美容業界に改革をもたらしています。

SHARE.

前の記事

コスメ情報を速攻で見つけられるアプリ:Think Dirty-Shop Clean

次の記事

アルゴリズムの技術で性犯罪者を追い詰める

関連記事