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Beauty TECH 2020~今もっともアツいトレンドとイノベーション7選~

2020年末までには、世界の美容市場は600億ドルに達すると予測されています。この過熱状態の市場は、完全にデジタル世界によってけん引されたものです。現在の美容業界は、デジタル化した未来を完全に受け入れ、企業やブランドはデジタルネイティブ世代の顧客層ターゲットへの注力、そしてこのコロナ禍ではバーチャルツールやオンラインサービスへの移行が余儀なくされています。このデジタルトランスフォーメーションは、人工知能、拡張現実、スマートディバイスによっていつでもどこでも利用できる、高度でパーソナライズ化されたエクスペリエンスを提供してくれます。これらのトレンドが、2020年そして今後において美容商品のあり方、顧客へのサービス、そしてお客様自身のお買い物方法に革命をもたらすでしょう。

スマートフォン、クラウド、デジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーションによる美容業界の変貌

美容業界には人々の外見を美しくして、気持ちをあげてくれる様々なブランドやビジネスがあります。もちろん業界トップは化粧品業界で、続いてスキンケアやヘアケア商品、グルーミングツールやサービス、ホリスティックおよびナチュラルウェルネス商品など他にも多くのマーケットが存在します。

そして、この業界は美容師、ネイリスト、ヘアスタイリストなどの美容専門家、および美容商品を開発する研究所やメーカーなども含まれ、美容業界は一般的なトレンドだけでなく、よりパーソナライズされたマーケットセグメントに注力し始めています。

ここ最近までは、化粧品業界におけるお客様との接点は対面式によって成り立っていました。人々はデパートの化粧品カウンターに立ち寄り、接客してもらう中で、ビューティーアソバイザーに肌悩みを相談したり、新発売の香水を試したりすることができました。ヘアサロンとネイルサロンは施術を行う人と顧客の1対1の対面で技術を磨いてきました。しかし、これらの従来のビジネスモデルは、デジタル革命によって別の姿に変わりつつあります。

デジタルトランスフォーメーション、スマートフォン、美容

デジタル革命in Beauty

いわゆる「デジタル革命」は、瞬時にアクセスするだけでどんな業界も変貌できるポテンシャル性と、それを多次元体験に変えることができるテクノロジーを兼ね備えています。最近では、この新たなデジタル変革による影響は主にヘルスケア業界への導入が傾注されていますが、これらが美容業界に与える数十億ドル規模の影響に関してはほとんど注目されていませんでした。

しかし今ではこのテクノロジー革命によって、美容関連企業は消費者が欲しい商品やサービスを必要な時に届けられるような、よりパーソナライズされ始めています。これは、ヘルスケアの分野でもすでに適応されていて、遠隔医療ポータルやウェアラブルフィットネストラッカーなどのデジタルツールは、より消費者の詳細な健康管理ができるように進化しています。

デジタルツールが新しい美容文化を創造する

一昔前は、大手美容ブランドが市場を占拠していました。つまり「美」そのものをこの大企業ブランドが定義してきたともいえるでしょう。こられの商品を通じて美しさに「値する」顧客に対してブランドコミュニケーションを行い、実際の顧客ではなく、自分たちの理想の顧客に向けて製品開発を行ってきました。デジタルカルチャーが登場する前は、これらの企業が美についてすべての情報をけん引し、消費者をリードしていたのです。

しかし今では、デジタルビューティーカルチャーとして美容系ユーチューバ―やブロガー、Instagramのインフルエンサーや有名人などが存在し、「美」とはいろいろな形があるという事、そしてありのままの姿が美しいというメッセージを発信しています。 「ボディ・ポジティブ(ありのままの体を愛そう)」のサポーターや、様々な肌のトーンに向けたコスメラインなど、自分らしさや自分が大切にしている事を体現しているものに惹かれる消費者にとって、新しいムーブメントでもありました。

大手美容系企業はこの変化に気づき、一連のデジタルテクノロジーとツールを使って「デジタルネイティブ世代」―いわゆる若い世代で生まれた時からデジタル世界が身近にあり、いつでもどこでも自分の好みのブランドに個人的にアクセスができる世代―をメインの顧客ターゲットとしています。これらの消費者は、オンライン上のビューティーインフルエンサーの熱心なフォロワーであり、セルフィーを撮ったり動画を投稿したりすることが大好きです。そして自分のお気に入りの商品やスタイルに関するコツ、とっておきの裏技、情報を共有するためにこれらのツールを使いこなしています。

コロナウイルスによって加速する変化

現在のコロナウイルスによるパンデミックは、美容業界をますますデジタル化した未来へと推進する大きな一因となっています。つい最近まで化粧品のカウンターで行われるタッチアップや、店頭サンプルのお試しなどでにぎわいを見せていたデパートや小売店では、ソーシャルディスタンスやマスクの使用を求める場へ様変わりしています。ヘアサロンやネイルサロンなどの多くの対面式の美容ビジネスは、顧客にサービスを提供し続けられる新しい方法を模索しなければならない状況になりました。

デジタルツールは人と人との接触が限られているコロナ禍でも、顧客やクライアントがお気に入りのビジネスやブランドに留まるように顧客とのタッチポイントを作り続けています。一部の企業やサロンでは、ヘアスタイルやファッションに関するバーチャルカウンセリングを提供しています。また、家庭での商品の使用方法のコツや、家で出来る髪のセルフカット方法など、ユニークなコンテンツを制作している人もいます。

一部の業界はコロナ禍において、新しい問題に対する迅速な解決策を模索することを余儀なくされましたが、新しく導入されたテクノロジーは、今後の美容業界を定義する新しいデジタルエコシステムを構築していくでしょう。

デジタルイノベーションが新しい美容トレンドを創り出す

このデジタルイノベーションのツールとテクノロジーは、モノのインターネット、つまりIoTによって可能になった既存の基盤の上に構築がされています。この世界では、あらゆる種類のAI駆動の「スマート」デバイスが常に通信を行っていて、ヒトを介さずとも世界中で情報を共有しあっています。日常で使用するスマートフォンから、都市を管理する大規模なデジタルインフラストラクチャまで、IoTはデバイス上のインテリジェンスとクラウドコンピューティングプラットフォームを使用して、データが絶え間なく流れているのです。

美容業界もIoTの既存ツールを利用して顧客とクライアントにサービスを提供しています。しかし、一部の美容関連のテクノロジーはまったく新しい試みであるため、技術を含めた一連の開発を様々な業界と連携して行っています。今後は企業主導の開発視点ではなく、よりパーソナライズされた体験価値を提供するため、これまで以上に美容業界のテクノロジーのカスタマイズ化が進んでいくでしょう。

バーチャルでお試し体験してみる

拡張現実技術とAIアルゴリズムを組み合わせて、完全にバーチャル化された環境でメガネから口紅まであらゆるものを試せる新しいツールが開発されています。これらのツールを使って、画像にさまざまな商品を重ねられるアプリに写真をアップロードしたり、ファンデーションやアイライナーの仕上がり感をすぐに確認したりする事ができます。

Modiface(モディフェイス)  、化粧品の超大手ブランドのロレアルやランコムなど美容トップブランド100社の内75社で使用されているバーチャルコスメお試しツールです。このアプリでは、ユーザーはブランドで発売されているメイクアップパレットやヘアカラーを選んで、選択したものを自分自身に当てはめて見ることができます。 ロレアルが提携していることでも有名なYouCam は、様々な照明設定や色々なメイクオプションを提供してくれるだけでなく、数百以上ものバーチャルメイクと様々な種類のビューティーフィルターが入っていて、何通りもメイクを試す事ができます。

ユーザーは明るい自然光、薄暗いクラブなどアプリで環境設定を変えて、異なる環境下で商品がどんな風に見えるかを確認したら、肌のカラートーンや肌質に合ったパレットから商品を選択する事ができますし、試した履歴を保存できるので、あとで見返してまたその商品を購入するきっかけになります。

バーチャル、通販

カスタムパレットとパーソナライズされた商品デザイン

パーソナライズが進んでいる美容業界において、「1つの商品ですべての人を満足させる」というマス的思考が機能しなくなってきています。そこで、AIテクノロジーを導入してあらゆるタイプのお顔にカスタマイズできるパレットを取り入れているコスメブランドが増えてきています。

Modiface や類似のアプリなどを使用して、化粧品企業は消費者に肌のトーンカラーと肌質に基づいてパーソナライズされた化粧品のセットをオススメして、どんな風に見えるかも伝えることができます。

Sephora(セフォラ) は、オンラインと実際の店舗の2つを構えるビューティーリーディングカンパニーです。彼らはバーチャル試着アプリを使用して、様々な場面で商品を使うことでどのように見えるかをアプリ上でコミュニケーションし、また、彼らの入力した情報に基づいて、パーソナライズされた商品をカテゴリー分けして、実店舗展開にも生かしています。

消費者調査によると、今のターゲットユーザーは外見ばかりに興味を持っているわけではありません。化粧品、ヘアカラー、その他のパーソナルケア商品に関しても、自然で無添加など、環境にやさしいものを求めています。多くのスキンケアラインが、YouCamや同様のアプリを使用して、ユーザーの個人情報に基づいてクリームやローションなどをパーソナライズしたり、肌を分析するテクノロジーを取り入れ、肌の乾燥やアレルギーなど個別の肌悩みを知ることができ、企業はアプリで収集したユーザーのビッグデータに基づいてオリジナルのカスタムブレンドを作成することもできます。

拡張現実の世界へようこそ

拡張現実技術は、バーチャルお試しアプリを更に便利にしてくれるだけでなく消費者が自分の外見や自分の捉え方に関して、自分を見つめる新たな方法、あるいは考えを一新してくれるような方法も提供してくれます。

拡張現実技術は、人工知能、画像処理、および音声を組み合わせて、さまざまな種類の情報を私たちの「現実」の世界に重ね合わせてくれます。ManiMatch(マニマッチ)アプリでは、アップロードしたユーザーの手の画像に様々なマニキュアのオプションを表示してくれるなど、ユーザーの顔や体に様々な商品イメージや色を反映できるテクノロジーは、化粧品を試せる技術として非常に優れているのです。

これらの技術は、消費者が自分の外見と健康についてどうありたいか、という意思決定をサポートする方法としても使用する事ができます。以前に人気のビューティーアプリでは10代後半から30代のユーザーが、ユーザーの見た目年齢が「何歳」として認識されるのかを試すアプリが大人気になりました。このようなアプリは、将来しわやたるみが出てくるお顔の場所をユーザーに教えてくれるので、消費者自身が予測されるエイジング個所を知ることができますし、それに対する予防策も考えるきっかけとなり、ライフスタイルを見直すことにもつながるでしょう。

スマートミラーとボディスキャナーは健康管理ツールとして 

現在の新世代AI搭載スマートミラーは、肌を分析して日々の変化による変化を追跡して、しわやしみなど外見や、肌のトーン、色の変化を確認する事ができます。他にも体重やその他の外見の変化を追跡して、全身の3Dスキャンを生成できるミラーがあります。

HiMirror(ハイミラー) シリーズのスマートミラーデバイスは、タブレットに入っている多くのツールを搭載し、毎日ユーザーの肌を分析して評価することで、情報の変化を時系列で確認できます。そして、毎日のスキンケア、食事などの改善案をアドバイスしてくれます。

またMayo ClinicのSkinSafe(スキンセーフ) アプリと連携させて、ユーザーがスキンケア商品の有害成分を自分で調べる事も出来るので、より安全な代替品を見つけるのにも役立ちます。他にもスマートTVとしても完全に機能するミラーや、ユーザーの顔の画像を捉えて色々な照明効果を表示する機能が備わったスマートミラーデバイスなどがあります。

顔だけでなく、体の全体像を確認するためにNakedLabs(ネイキッドラボ)は、スマートスケールを搭載した全身鏡、Naked Body Scanner(ネイキッドボディスキャナー) を作成しました。このデバイスは、3Dカメラを使用して全身をマッピングし生体認証データを収集する事ができます。そしてデータは会社のサーバーへと送信され、その後ユーザーのスマートフォンに返却されます。スキャンしたデータはユーザープロフィールに保存する事ができるので、減量、筋肉量、肌の変化などの確認に使う事ができます。

スマートミラーは、化粧品や美容商品のバーチャル試着やカスタマイズなどを直接提供していませんが、これらのデバイスはケアが必要な部分に関する視点と、スキンケアオプションに関する情報を提供してくれます。

 

メイクアッププリンター資生堂Optuneの革新とコスメティックキャリブレーターの可能性

2017年に発売されたOptune は、完全にパーソナライズされたスキンケアシステムで、ユーザーの肌の健康状態と外見に影響を与える可能性があるバイオリズムの乱れを検出してくれます。 Optune には、80,000もの異なるスキンケアの種類のデータベースが組み込まれており、これらは現在の湿度、睡眠パターン、食事などのさまざまな種類の外部情報を含めたユーザーの個人データと照合を行います。

現在Optune は資生堂のアプリとしてのみ使用可能で、新規ユーザーはウェブサイトでサブスク登録を行う必要がありますが、資生堂に自分のデータを送ると、日常のスキンケアにお勧めの商品や提案をフィードバックしてくれます。

3Dテクノロジーを使用して画像をウェアラブルメイクアップへと変換してくれる、別のタイプのメイクアッププリンターデバイスもあります。Mink(ミンク)プリンターは、特別に調合されたメイクアップシートのセットが付属している、持ち運びのできるプリンターです。ユーザーは目的の画像または化粧品のカラーをMinkアプリにスキャンし、コスメシートをトレイに入れたら印刷を押します。印刷が完了したら、ブラシまたはスポンジでメイクをシートから剥がして、目、唇、または顔に塗る事ができます。

これらの技術や同様の技術の革新は、d美容業だけでなく、その他の業界にも波及していくことでしょう。化粧品研究所と製造会社が、バーチャルシミュレーションと拡張現実技術を導入すれば事実上無限の組み合わせが可能になるので、新商品を作ってテストする事ができます。バーチャル試着アプリと画像ツールは、美容師、ネイルアーティスト、ヘアスタイリストなどの美容専門家のトレーニングにも役立つでしょう。モデルがいない場合などでも、これらのテクノロジーを使用する事で学生はカラーやスタイルのいろいろな方法を試したり、化粧品やマニキュアを塗るスキルを練習したりする事ができます。

デジタルトランスフォーメーション、美容、化粧

さらに進化する美容業界、新しい「あたりまえ」を先取りする

美容業界のデジタルトランスフォーメーションは、ますます進化していく過程にあります。 Eコマースは、このコロナ禍の環境下で他のどの小売形態よりも急速に成長しています。 AIを使用したアプリとクラウドベースのデータへのアクセスにより、あらゆる種類の企業が各顧客の関心とニーズに合わせた独自のショッピング体験を創造し、新顧客を生み出していくでしょう。

そして、Eコマースは、新しい美容ブランドやビジネスのスタートアップもサポートしています。物理的な店舗を持たなくても、顧客が望む商品とサービスを迅速かつ低価格で提供する事に強みをもって、ビジネスを拡大していくでしょう。

ビューティーカルチャー自体も変化していきます。以前は、消費者は化粧品やその他の美容商品に関する情報をブランドのカバーガールや、ロレアルなどの大規模なブランドの広告から得ていましたが、現在のブロガーやユーチューバ―はリアルタイムで視聴者と交流して美容商品やサービスについてのアドバイスなどを行っており、今日の消費者はオンラインビューティーインフルエンサーへ傾聴していくと思われます。

これらのインフルエンサーがオススメする商品やその他の商品は、業界をこれまで支配してきた大企業ブランドよりも、トレンドに乗ったオンラインショップや新しい化粧品のスタートアップ企業からの商品である可能性が高いです。実際に、有名なセレブが手掛けているリアーナのフェンティやカイリージェンナーのカイリーコスメティックスよりも、新しいスタートアップ企業の方が好調です。

このような変化の中消費者は、化粧品はヘルシーな生活と共存していると感じるようになってきました。つまり、外見を美しくするだけでなく、環境に貢献できる商品の購入に関心が集まってきています。

美容業界はステイホームという環境下で、いかに顧客との接点を作るのか、さらには、個人の価値観の拡大からどのようにパーソナライズを提案して、顧客満足度を上げていけるのか、商品だけでなく、購入する過程におけるプロセスに至るまでどのように管理できるのか、などの観点からデジタルツール、AIなどの開発サイクルが生まれています。

このパンデミックによる強力なテクノロジーの変革の後押しは、化粧品業界にとどまらず、他の業態にも浸透しています。デジタルドリブンのカスタマーサービスポータル、チャットボット、自動化プロセスなどは、病院などの「対面式」のビジネスにおいて、予約を管理するのに役立ったり、顧客へ安全なサービスを提供したり、適切なサービスとケアを選択したりするのに役立つでしょう。

美容業界の進化とトレンドは、このコロナ禍において、全く新しいものを創造できる磁場が整い、デジタルイノベーションは、今後の美容商品とサービスの提供方法を​​定義し続けてくれるはずです。

 

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