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AIが医療画像診断をどう変えるか

X線やMRIなどの検査で得られた医療画像は、従来、医師や放射線技師が確認を行っており、これは今までも、今後も変わることがないと考えられてきました。しかし、一部の病院では、人工知能(AI)が代行しているケースがあります。

AIは、画像の診断的解釈を行うことができますが、この分野は医師の間でも不安視されている事項であり、AIによる医療画像の読み取りについては規制を求める声が上がっています。

 

医師はいつも正しいわけではない

放射線治療の現場では、画像の3~5%が医師による誤読や誤診であると言われています。たとえ何年もかけて医学部に通ったとしても、人間には絶対的な力はなく、こういった問題は決して他人事ではありません。AIは必ずしも誤診をなくすわけではありませんが、減らす事はできます。機械に正しい情報を与え、医師がどの画像を詳しく確認すればよいかなど、判断を行う時に非常に役に立つことがわかっています。

機械が人間と同じように画像を読み取ることができれば、医療画像にAIを使用することは有益と言えます。まず第一に、人間が気づかないような小さな問題を、機械が発見することができ、問題の早期診断が可能になります。つまり、問題が大きくなる前に治療を受けることができるということです。癌の早期治療は、患者の生存率を高めることがわかっていますので、これは非常に大きなメリットと言えます。

第二に、時間の節約にもなります。医師が通常業務を行っている間に、機械に画像を読ませることができ、システムで特定の条件にフラグを設定することにより、通知をさせることも可能です。画像解析の時間や負担を軽減し、医師が患者さんに集中することができます。

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人工知能が医療画像を読み取る仕組み

AIによる医療画像診断は、そこまで無謀な事ではありません。医療以外の場面で、画像を識別するために何年も前からAIは使用されており、スキャンで腫瘍や異常を検知するためにAIを活用するのは有効な手段と言えます。

基本的に、AIは機械学習のアルゴリズムを用いて、提示されたデータを処理して理解します。診断画像は、実際には非常に多くの複雑なデータになるため、機械で処理することは理にかなっています。AIは学習しながら成長していくため、時間をかけて多くの異常を認識できるよう、微調整しながら教えていくことができます。

最近まで、AIによる画像診断の大半は、問題の有無を判断するためだけに行われており、その問題の程度までは把握することができませんでした。AIが腫瘍や病変の重症度を評価し、その上で治療の優先度を判断することができればより有益な手段になるため、AIの精度を見極めることが必要となります。例えば、AIが画像のごくわずかな変化を感知することで、医師が通常よりも早く癌などの病気を発見できる可能性があります。ただし、ここでもAIは画像の特定の変化や結果を導くことができないため、あくまでもAIが初期段階でフラグをたて、最終的に医師がフォローアップする必要は出てきてしまいます。

虚血性脳卒中の初期症状を示す脳MRI画像は、人間ではなく機械の方が、正確に読み取れる可能性がはるかに高いことが証明されています。人間の目では見逃してしまうことがあり、このようなケースでは生死を分けることになります。

MRIなどの非常に小さな変化の検出を、機械に任せて死を防ぐことができれば、実際に患者さんの生存率が向上する可能性があります。繰り返しになりますが、すべては適切なプロトコルを使用し、AIを正しく教えることにかかっています。

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AIが間違っている点

最大の潜在的な問題は、AIが診断を見落とすことではなく、むしろ過剰に診断をおこなってしまう事にあります。たとえば、医師の場合、その画像に写っている人物が単に他の人とは違う身体的特長があった場合、状況などをふまえて総合的に判断することができますが、AIは画像の変化に過度に敏感になり、誤検知を引き起こす可能性が高くなります。誤診といった問題は医療責任への影響が懸念されるため、これが医療におけるAI化の動きが非常に遅い理由だと思われます。

誤診などの間違った判断が、人々の生活に影響を与えないよう、具体的な規制を設ける必要があります。もし、脳腫瘍の可能性があると誤診される人が多数発生した場合、現場はパニックになることは必須です。そして、その誤診により、過剰な治療を受けることにもなりかねません。

こういった事象を防ぐためにも、科学者たちはAIの学習期間を監視し、画像を正しく識別できるように取り組んでいます。機械には、学習能力と推論能力がありますが、小さな子供のように間違ったことを学習してしまう可能性もあり、そのために人間による支援が重要になります。

もう一つの課題として、AIに不明瞭な画像などを見せてしまうと、今後の画像の読み取り方に大きな影響を与えてしまうことで、これは放射線科医でさえ読みにくいX線画像を使った研究で証明されています。不明瞭な画像の場合、AIは簡単に読み取ることができず、画像を誤って解釈した結果、コンピューターが学習に使用していたデータを破壊してしまったのです。誤った情報が提示されると、機械は正しく学習することができないということです。

今後、医療用画像処理にはますますAIが導入されることが予想され、機械がより賢くなり、教育を受けることによって、誤検知のリスクは低下します。健康上の問題を早期に発見できれば、それだけ早く治療を行うことができ、それが命を救うことにつながるかもしれません。人工知能や機械学習のような技術を使っても、医療が前進し続けることは不可欠でありますが、そういった技術がより医療発展に貢献するのではないでしょうか。

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