2022年のベストフェムテック・スタートアップを発表

世界の人口の半分以上が女性であるにもかかわらず、フェムテックはヘルスケアの中では、まだ未発達な分野です。しかし、近年この状況が変わり始め、フェムテックのスタートアップはかつてないほど増加しています。２０２２年、この業界は急速な成長を遂げると予想されていますが、その多くはフェムテックの新参者たちによるものです。

今回は、注目すべきフェムテックスタートアップを紹介します。彼らは新進気鋭であり、今後数年で大きな注目を浴びるでしょう。

ブライトサイン社

コミュニケーションを普遍化することに着目した、ユニークなスタートアップ。この会社は、Hadeel Ayoubによって作られました。同社は手話を、話し言葉に翻訳する手袋を作っています。これにより、手話を使う人は使わない人との円滑なコミュニケーションが可能になりました。このスマートグローブは、世界中のあらゆる手話に対応しており、30以上の音声言語と、手話者が相手の言うことを読めるように逆翻訳を提供しています。

ブライトサイン社は、この適応性の高い技術をさらに一歩進め、単にコミュニケーションを可能にしただけにとどまりません。このグローブでは、性別だけでなく年齢でも音声を選択することができます。180以上の音声オプションがあり、話す人の声を正確に調整することが可能です。

エレクトラ・ヘルス社

まだサービス開発の初期段階ですが、エレクトラ・ヘルス社は、ジャニーヌ・ヴェルシとアレッサンドラ・ヘンダーソンの2人の女性により運営されています。彼らは、更年期障害とそれにまつわる多くのタブーが、女性が自身の体に起こる避けられない変化に対処することを困難にしていることに気づきました。そこで2人は、更年期のタブーを打ち破り、更年期を迎えた女性が力を発揮できるような教育システムとコミュニティを作ることを目的に、エレクトラを立ち上げました。

1910 Genetics社

Jen Nwankwoによって設立された1910 Genetics社は、ヒトゲノムの薬にならない領域を排除するために、AIを使った薬に焦点を当てました。現時点で、同社は2つの創薬エンジンを作成しています。ELVIS™とROSALYND™は、どちらも高度に個別化された薬物治療を設計することが可能です。AIエンジンを介し、低分子治療薬やタンパク質治療薬を生み出しています。

1910 Genetics社は、かなり斬新な薬の選択肢を考え出すだけでなく、初期の創薬のタイムライン全体にも取り組んでいます。これには、実際の発見から、薬を市場に出し、希望する人々に販売するまでのすべてが含まれます。そのためには、リードの最適化やマーケティングなど、途中のステップもたくさん必要です。

Simone

注目すべき印象的なフェムテックスタートアップの中に、Maria Wang-Faulknerが設立したSimoneがあります。Simoneは、ホルモンバランスが崩れた女性をサポートするために設計されたものです。世界で15億人以上の女性がこの問題に悩まされていると言われていますが、この問題についてはほとんど研究されていません。Simoneは、PCOS、不妊症、肥満など、ホルモンバランスの乱れによって形成される健康問題に対処する人々をサポートします。同じ問題を抱える人々が集う独自のコミュニティと、エビデンスに基づいたデジタルコーチを通じ、こうした女性たちに希望を与える手助けをしています。

Mumspring

ナイジェリアを拠点とするこのフェムテックスタートアップは、妊婦や新米ママ、そしてその赤ちゃんの生活に変化をもたらそうとしています。現在はアフリカにフォーカスしていますが、今後は全世界にソリューションを提供することも視野に入れています。

Mumspringは、すべての女性が出産前のケアにアクセスできることを目的としており、妊娠中とその直後からリソースとサポートを提供することで実現されています。アフリカの母親たちの物語を共有するポッドキャストから、現地で生活する数多くの女性たちのコミュニティまで、提供されるサポートには事欠きません。ナイジェリアのラゴスに住むAbisola Oladapoが運営しています。

Queerly Health社

クィア支援医療従事者を探そうとしても、現代でもかなりの当たり外れがあります。ニューヨークのメグ・アブラハムは、適切な医療従事者とそれを必要とする患者のマッチングを、よりシンプルにする会社を立ち上げました。すべての医師や施術者は、推薦される前に審査され、チェックを受けています。LGBTQ+コミュニティが、自身のことを真剣に考え、偏見を持たず対応してくれる人を探すのに苦労することなく、各々にふさわしい医療を受けられるようにするためです。

Delee社

フェムテックスタートアップの中には、女性の健康をテーマにしたものが多くあります。リザ・ベラルデがビジネスパートナーと共同で運営するDelee社は、がんの診断と管理の方法を変えようとしています。同社が設計したユニークな血液検査装置のおかげで、近い将来、非常に大きな話題になる可能性があります。

この装置は、腫瘍から脱落して血流に移行する悪性細胞であるCTCを血液でチェックするものです。CTCが発見されれば、腫瘍が目立つようになる前にがんの早期診断が可能となり、がん患者により良い治療結果をもたらします。また、同じ血液検査で、がん治療が効果的に行われているかどうかを確認する継続的な治療モニタリングも行っています。

Endodiag

フェムテックスタートアップと聞くと、妊活や生理の記録などに特化したビジネスを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、あまり認識されていないのが、子宮内膜症の診断です。子宮内膜症は、生殖年齢にある女性の10％が罹患するといわれる厄介な病気ですが、診断が困難なケースがあります。そのため、治療が遅れ、治療法も確立されていません。

フランス・パリのセシール・レアルが設立したEndodiagは、子宮内膜症に苦しむ人々のために診断の世界を変えようとしています。彼らは、この病気の診断や診断の改善に役立つ製品やサービスを開発しています。

Carrot

フェムテックスタートアップにとって妊活は常に大きな焦点であり、この業界を意識したスタートアップが出てきてもおかしくはないでしょう。しかし、Carrotは少し違います。米国を拠点とし、タミー・サンとアシマ・アフマド博士という2人の女性によって設立されたCarrotは、雇用者向けにグローバルな不妊治療給付を提供しています。同社は、従業員の不妊治療に関して、企業がより包括的かつ協力的になるための柔軟な経済的保障を提供しています。

フェムテックのスタートアップは決して目新しいものではありませんが、近い将来、より多くの企業が現れるでしょう。これらの企業は、革新的な技術や、他の多くの企業が見逃しているニーズに応えることで、偉大な企業になる可能性を秘めています。フェムテックの最新・最高峰を知るために、リストのスタートアップにご注目ください。