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街をスマートシティ化する便利アプリ7選
1950年には世界の30%だった都市で生活する人の割合は現在50%以上に増加しており、2050年には66%に達すると見られています。人口の増加に伴って増えるインフラへの負担を軽減するため、都市全体をスマートシティ化する必要性が日々高まっています。しかし、もしあなたがスマートシティのもたらす利便性を既に享受できるのだとしたらどうでしょうか?
この記事ではあなたが住んでいる街をスマートシティ化する7つのアプリを紹介します。これらを活用して、日々の生活を安全かつ持続可能なものにしていきましょう。
スマートパーキングアプリ
スマートパーキングアプリはiOSとAndroidに対応したアプリで、ユーザーに駐車場の空き状況や現在地からの距離、料金などの情報を提供します。このアプリのサービス地域はまだ米国と英国に限定されているものの、駐車場に設置されたセンサーからデータを収集し、ドライバーに有益な情報をリアルタイムで提供しています。またこれらのデータはグーグルマップと連動して表示されるため、初めての人でも使いやすいのが特徴です。
使い方:次にディナーに出かけるときは、このアプリでレストランの近くの空き駐車場を探してみましょう。週末であれば特に駐車場の空きを探して走り回る手間が省けます。時間と燃料を節約でき、ユーザーと環境の双方にメリットをもたらします。
Waze
2009年に登場したスマートナビゲーションアプリがWazeです。Wazeは予期せぬ事故や通行止め、パレードによる交通規制などの交通情報をリアルタイムに提供します。グーグルマップにも同様の機能がありますが、交通データの収集と分析に基づいて情報を提供するデータ主導型のグーグルマップに対し、1億4,000万人以上のユーザーが常に交通状況を報告するコミュニティ主導型であるのがWazeの特徴です。グーグルが見逃してしまうような突然の交通規制なども、Wazeのコミュニティなら一早く情報を共有できます。またこのアプリはアメリカ、メキシコ、イスラエルでユーザー間の相乗りをサポートする機能もあり、目的地の方向に向かっている車に同乗させてもらうことができます。
使い方:打ち合わせに遅れそうな時はWazeから提供される目的地への最短ルートとリアルタイムの交通情報を最大限に活用しましょう。もし途中で車が故障してしまったとしても、アメリカにいるなら相乗りできる人を探せます。これまでは遅刻していたような状況も、Wazeを使えば乗り越えられるかもしれません。
グーグルマップ
スマートシティにおける大きなテーマの一つが交通渋滞の解消です。なぜなら交通の効率性は交通インフラに直結するからです。そのため、この記事ではスマートナビゲーションアプリを2つ紹介します。グーグルマップは今やスマホに欠かせない地図アプリです。まだアメリカとイギリスでしか使えないWazeとは異なり、グーグルマップは世界中で利用でき、最大の特徴であるデータ解析能力は他のアプリの追随を許しません。もしスマホにWazeが入っていてもグーグルマップはあったほうがいいですし、その逆も然りです。2つのアプリはそれぞれの足りないところを補完し合える関係です。
使い方:知らない都市での移動にはグーグルマップが一番です。正確な移動時間がわかるので旅行の計画を立てることも容易です。移動だけでなく都市の公共サービスを探すのにも大いに役立ちます。
災害警報アプリ
ハワイ大学が運営する災害対策の研究機関である太平洋災害センター(PDC)は、利用者にいち早く災害の警告を発してくれる無料の災害警報アプリを提供しています。このアプリは天災と人災に関わらず地球上で起こりうるほとんどすべての災害をカバーしており、災害の発生を感知するとユーザーに自動で警報を送ります。AndroidとiOSに対応しており、竜巻、洪水、地滑り、地震などの災害を警告してくれます。
使い方:災害発生と同時に警報を受け取るには、スマートフォンの位置情報がONになっている必要があります。使用の際にはスマートフォンの設定を確認してください。
マイセーフティピン
スマートシティと言うとAI技術などによる都市の効率性に焦点が当てられがちですが、全ての住人が都市をより安全に利用できることもスマートシティにとって重要な要素の一つです。マイセーフティピンは政府や社会活動家と連携し、都市を女性にとってより安全な場所にしてくれるアプリです。このアプリは公的機関が持つ安全に関する様々なデータとユーザーの活動データを照合し、都市や地域の安全性評価を点数で算出します。そのため自分が移動する時間帯とルートがわかれば、事前にその移動がどのくらい安全かを知ることができます。また開発元はこのアプリから得られたデータを元に、政府に安全対策の改善提案をしています。例えばインドの首都ニューデリーでは、いくつかの場所の照明インフラを改善するためにこのアプリのデータを利用しています。
使い方:マイセーフティピンで身の回りの安全性をチェックし、対策ができるので初めて訪れる街や地域では特に便利です。ユーザー調査に参加して情報を報告することで安全性評価の信頼性も高まり、街全体をより安全にすることに繋がります。
マイタウンスマートシティアプリ
サービスエリアは北米に限定されているものの、この記事で紹介するマイタウンスマートシティアプリは価値を持ったアプリです。このアプリは地方自治体と住民の間を取り持つもので、道路や街灯、騒音などインフラ上の問題があった場合、住民はこのアプリを通じて自治体に報告することができます。その後の状況を追跡することもできるので、自治体の透明性の向上にも繋がります。また自治体はこのアプリを通じて重要な情報を迅速かつ効率的に発信できます。このアプリは住民からの問題の報告が多いほど問題改善に繋がるため、幅広い住民が利用することで全ての人にとって住みやすい街に近づきます。
使い方:北米に居住している人はこのアプリを使って地域の問題を自治体に報告してください。それだけでなく条例や安全ガイドライン、交通規制、取水制限などの情報を得ることもできます。
カウラインズ
アメリカとカナダの60以上の都市で利用できるカウラインズは、二酸化炭素の排出量を減らすことで収益を上げる世界初のアプリです。都市の二酸化炭素排出量を減らすために2019年にリリースされたこのアプリは、目的地への移動に利用可能なすべての交通手段、総所要時間、費用、そしてそれぞれの二酸化炭素排出量を一覧表示します。ユーザーはその中から最も環境に負荷の低い交通手段を選択することができます。
使い方:気候変動の抑制に少しでも貢献したいと思っているのであれば、カウラインズを使って最も環境に優しい移動方法を見つけましょう。ロックダウンが終わり出勤も再開し始めている現在、カウラインズで通勤経路の見直しをするのも良いでしょう。
スマートフォンアプリをはじめIoTやAIといったテクノロジーの発展は、世界に無限の可能性をもたらします。この記事を参考にして、一度これらのテクノロジーに触れてみてください。きっと想像を超えるものが得られることでしょう。