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AIがホログラフィー技術に革命を起こす

ホログラム(立体的な映像)を使った映画といえば、SFファンにお馴染みの「スタートレック」に登場するホロデッキなどでよく知られていますが、これはキャラクターたちが宇宙船内で、3次元のホログラフィック画像により、リアルな動きや会話をしているように演出されています。こういった「現実」と区別がつかないほどのリアルタイムな立体映像技術は、これまでSFの世界で使われるものでした。

スタンフォード大学の最近の研究で、高度な機械学習と「カメラ・イン・ザ・ループ」技術のリアルタイムなチェック作業を組み合わせ、正確な3Dデータを生成し、ゲームや医療、教育など多様な分野に革命をもたらすことがわかりました。リアルタイムな立体映像技術が、日常生活の一部になろうとしています。

 

ホログラフィー技術とは?

ホログラフィー技術の概念は比較的古いもので、その起源は1860年代の「ゴーストイメージング」技術にあります。現代のホログラフィー技術は、1971年にノーベル賞を受賞したハンガリーの科学者デニス・ガボールにより開発されたもので、今日の人工知能や映像技術に至るまで、ホログラフィー技術は彼の初期の研究に近いレベルでした。

ホログラムとは、光の回析や散乱を利用して、光の波動パターンをリアルタイムで捉え、立体的に見えるようにしたものを言います。二次元の画像とは異なり、ホログラフィック画像には、奥行きや視差などの特徴があり、様々な角度から見ることができるため実際には存在しない物体が、存在するかのような錯覚を引き起こします。これは、音波の交差するパターンを取り込む技術である、サウンドのレコーディングに似ています。

しかし、従来のホログラフィー技術には限界があります。標準的なホログラフィー技術では、散乱光により不自然なコマ撮りのように見えてしまう事が多く、動きや音、奥行きなどの「現実世界の複雑さ」を描写することは困難であると言われてきました。

そこで、ディープニューラルネットワークの複雑なアルゴリズムの使用と、大量のデータを高速処理することで、人や物体が本当に実在するかのような三次元シーンを作り出すことができるようになりました。

さらに、スタンフォード大学の「人間中心のAI研究所」の研究者たちは、ディープニューラルネットワークのトレーニングに、リアルタイムのカメラフィードバックを組み込むことで従来の問題を解決し、日常生活に大きな効果をもたらす、「複合現実」といった新たな技術の開発に成功しました。

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AIとニューラルネットワークがホログラフィー技術を変える

人工知能(AI)とは、人間の指示とは無関係に学習や意思決定を行い、知的な情報処理を実行するソフトウェア、またはプログラムのことをいいます。人間の脳の働きを再現することを目的として、ニューラルネットワーク上に構築され、継続的なトレーニングによってデータのパターンを認識、その分析結果から新しい情報を予測し、最終的な答えをだすよう「学習」するようになります。

現在、スタンフォード大学の研究者たちは、人工知能の進歩と光学の概念を組み合わせて、絶えず変化する現実世界の複雑な情報を、瞬時により忠実に再現できるアルゴリズムの開発を行っています。これは「カメラ・イン・ザ・ループ」技術に加え、実際のカメラを「Holonet」とよばれるニューラルネットワークのトレーニングプロトコルに組み込むことで可能になりました。

「Holonet」ネットワークは、まず画像を作成し、それをディスプレイ上に投影することで正確な3D画像の再現を学習し、デジタルカメラで画像を撮影してシステムに送り返すことで、元の画像と比較ができるようにします。このようにして、システムは与えられた画像を正確に再現させる機能を向上させていき、最終的には新しい画像を再現できるようになっていきます。

高度なニューラルネットワークは、膨大な新しいパターンのデータを探し出すことができるため、画像を再現するだけではなく、さまざまな情報からデータを取り込み、動きや音、感覚的な多次元体験を作り出す新しいアルゴリズムを開発することができました。さらに、これらの要素を組み合わせることで、ホログラフィック構造を作成し、単独での利用や、現実世界に存在するものに重ねて「拡張現実」や「混合現実」を作り出すこともできます。

 

AIホログラフィー技術が新たな 「現実」 への扉を開く

 知的なホログラフィー技術」によって、人々の生活をより豊かにできると言われています。人工知能(AI)とデジタル技術の専門家たちは、近い将来、高度なホログラムによって、人間関係の築き方や、学び方、物の感じ方が変わるほどの、双方向な三次元の世界が作り出されるとしています。

  • 医療用ホログラフィー技術

知的なホログラムが、超音波やCT、MRIなどのスキャンデータを利用して、患者の身体を3D空間に再現することにより、医師が多面的に特定の組織や臓器を調べることができるようになります。同様に、手術室をホログラフィー技術で再現することで、外科医が前もって手術の計画や準備をすることができ、より具体的なシミュレーションを行えるようになります。このようなホログラフィー技術は、医療従事者のトレーニングにも大きな役割を果たし、様々な方法による人体の観察や、リアルタイムな手術の練習を行うことができます。

  • 臨場感あふれる体験

ホログラムは、すでにエンターテイメントなどのイベントで、没入感を演出するために利用されています。例えば、2014年にはインドのナレンダ・モディ首相がホログラフィー技術を使って、複数の集会に同時に出演するといった演出を行い、日本では歌手がライブなどに活用して話題を集めました。高度なホログラムによって、バーチャルコンサートやファッションショーなど、現実にそこで行われているかのような、双方向で没入感のあるイベントが行えるようになりました。

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  • 公共の安全と健康

新しいホログラフィー技術は、治安維持や緊急時の対応などにも役立つ可能性があります。デジタル技術の専門家は、正確な3Dマップを作成することで、消防士や救助隊などが、不慣れな地域でも迅速に現場へと駆けつけることが可能になるとしています。同様に、建物や道路、構造物などを正確にホログラフィック画像で記録することにより、地震や自然災害に対する脆弱な部分を特定することができます。また、高度なホログラフィー技術は、救急隊員や公衆衛生官などの訓練などにも役立つと考えられます。

  • グローバルコラボレーション

リアルタイムなホログラフィー技術は、学習や教育環境に革命をもたらす可能性があります。たとえば、地球の反対側にいる人々と双方向な授業を行い、同じ3D教材にアクセスして、リモートで共同実習を行うことができます。学生は世界中のどこにいても講師から学ぶことができ、対話しながらフィードバックや実習を行うことができるようになります。

スタンフォード大学の「Holonet」開発者たちは、知的なホログラフィー技術の進歩につながるハードウェア開発は、まだ初期段階にあるとしています。現段階で実現可能な方法としては、利用者の目に直接ホログラムを投影できる眼鏡や、スマートフォンやタブレットなどの既存デバイスに組み込むことができる、3Dカメラやスキャナーなどが考えられます。知的なホログラフィー技術を利用することで、人々が日常的に使用するデバイスに加えて、誰もがいつでもアクセスできる新しい拡張現実を作り出すことができるようになります。

スタートレックのホロデッキのような世界は、遠い未来のことでまだまだ実現できないかもしれません。今日のホログラフィー技術は、指先で操作する小型のホログラフィックディスプレイ上で仮想現実を感じることに止まりますが、今後、より高度なホログラフィー技術の開発が進んでいけば、現実世界とほとんど区別がつかないほどの仮想現実が作り出される日が来るのではないでしょうか。

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