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公共の安全を高めるIoTの活用

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公共の安全を高めるIoTの活用

今日、世界中では何十億ものデバイスが常時通信を行い、人の手を介すことなくオンラインで情報交換をしています。これがモノのインターネット、IoTの世界です。住民とコミュニティの安全をこれまで以上に保つためにもIoTは重要な役割を果たしています。スマートな都市インフラとクラウドプラットフォーム、そして個人用デジタルデバイスを組み合わせることにより、都市が事故や災害を予防し、そして緊急事態が発生した場合には効率的に対処することが可能になります。

 

モノのインターネットとは?

IoTとは、ワイヤレスで接続するデジタル端末、どこからでもデータにアクセスすることを可能にするクラウドプラットフォーム、そして人間の介入に頼ることなく意思決定や行動学習ができる人工知能アプリケーションといった技術の組み合わせのことです。IoTの世界では、どんなデバイスでも「スマート」になる可能性を秘めています。これには自動車やキッチン家電、サーモスタットから、体内をモニターするためのスマートピルまで、さまざまな「モノのインターネット」があります。

また都市全体も「スマート」になる可能性があります。都市全体を結びつけるデジタルエコシステムは、遠隔地に設置されたセンサーや、その他端末から通信された情報を利用することで、公共施設や信号機、その他の都市インフラ・施設を効率的に管理することができるようになります。さらに、これらのシステムをスマートフォンなどの個人用端末と連携させることで住民の安全性を向上させている都市が増えています。

 

IoT時代の公共の安全

常にアクセス可能であるモノのインターネットには、都市をより安全で快適にするための活用法が多くあります。例えば緊急時においては、現場のセンサーとクラウドに保存されたデータを組み合わせることで、文字通り瞬時に必要な情報を提供することが可能になり、対応を迅速化させたり、保安上必要な情報を住民に提供したりということができるようになります。同様に、都市の要となるシステムを監視するスマートシティグリッドによって、公共サービスの故障や過負荷などの問題を人による監視を必要とせずに検知することができます。

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効率的な緊急対応

火災、事故、その他の緊急の現場に第一部隊が派遣された際には、現地で起きていることに備え関係者の安全を確保するうえで、できるだけ多くの情報を集めることが重要です。緊急時の装備やユニフォームにスマートセンサーを組み込むことで、現場での出来事を視覚的に記録したり、周辺地域の脅威や危険性を救急隊員に知らせるための情報収集を行うことが可能になります。

同様に、事故現場に駆けつけた救急隊員は、交通センサーやカメラからの情報を得て、遭遇する可能性のある事態に備えたり、到着前後の現場状況の記録に活用したりすることができます。緊急時の装備に生体認証情報を感知するセンサーを搭載することで、火災現場の消防士の命を救ったり、救急医療チームにとって重要な健康情報を即座に入手できることで、危機に瀕している人の命を救う確率を高めるなど、IoTは緊急対応へ幅広く応用できます。

スマート交通管理

特に大都市では、公共安全のための交通管理は、IoT技術の主要な利用法です。交差点や主要幹線道路上のポイントに配置されたセンサーを使用したスマートトラフィックグリッドは、交通の流れを監視し、渋滞を解消したり、信号機を同期させることで交通を円滑にすることができます。

最近の機械学習の技術革新により、このような都市インフラは、事故リスクの高い交通状況を認識し交通を減速させたり、建設地帯の車線を閉鎖したり、混雑エリアの通行を円滑にするために信号機を調整したりといった、都市の交通最適化を人間の介入なく行うことができるようになっています。このような都市の交通管理ツールは、周囲の車の位置や動きを検出したり、横断する歩行者を予測警告するセンサーを搭載したスマートカーと連動させることもできます。

公共の安全に関する住民へのアラート

またIoTは、嵐や地震などの天災、火災や洪水といった地域的な緊急事態の際に、都市やコミュニティが人々の安全を確保するための大きな助けになります。スマートシティのインフラは、スマートフォンやその他の通信デバイスを持っている住民に一括してメッセージを送ったり、バス停や店舗など一般の人が集まる場所にある公共の看板やその他の案内板に、必要不可欠な安全情報を掲示したりすることができます。さらにクラウド上でのデータ管理によっていつでも誰でも必要な情報を閲覧できるようになるため、住民はリアルタイムで現地の状況を確認したり、救急隊の最新情報を入手したりすることができるようになります。

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警察官の対応と職務執行のトラッキング

警察官のボディカメラや現場での録画装置は、危険な状況においての職務執行や対応を記録する目的で利用されています。体に搭載されたセンサーや記録デバイスは、例えば警察官が拳銃を抜いた際の動きといった重要な情報も把握することができます。警察官の心拍数や血圧を記録する内蔵センサーの情報は、事件の検証に影響する要因を特定するために使われることもあります。また交通モニターなど現場のセンサーを使って、オペレーション中の警察官の視野外や聴覚外にある脅威を警告することで、職務をサポートすることもできます。IoTを活用することで、事件に対応するすべての人々が、あらゆる瞬間にさまざまな情報源からのデータにアクセスし、一瞬の判断を下したり、事件を再検証したりすることができるようになるのです。

 

都市衛生、インフラの維持管理

IoTによってサポートされる都市のスマートインフラは、道路や橋の損傷、下水処理場の漏水など、公衆安全と衛生に影響を与える問題をいち早く警告することもできます。IoT技術は受信した情報を独立して処理して修復を開始したり、IoT技術だけでは解決できない場合は、人間のオペレータに連絡したり、重要なデータを担当者や修理作業員と共有したりといったことを可能にしています。また、スマートシティシステムは、使用ピーク時のシステムの過負荷を避けるため、使用量を監視・管理し、廃棄物管理などの都市の重要なサービスがスケジュール通りに実行されるようにすることもできます。

相互に繋がり合うシステムやデバイスが、都市全体とコミュニティの両方のレベルで機能することで、IoT技術は都市の安全性を維持し、住民の生活の質を向上させることができます。また、将来的にもIoTが拡大を続ける中、これらの革新的なデジタルツールやプラットフォームは都市の運営を改善し、コミュニティの安全性をこれまで以上に向上しつづけることが期待されます。

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