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Realterm Energy社が開発したアプリ「MyTown」とは
スマートシティとは、町全体をインターネットにつなぎ、人々の生活に必要な情報やサービスを効率的に管理し、経済の発展をもたらす先進的な都市のことをさします。このテクノロジーを駆使すれば、地方自治体毎の資金力などに左右されず、市民が住みやすく便利なサービスを受けられる、発展した街づくりが可能となります。
しかし、現行のソフトウェアでは、高度なプラットフォームとして成果がでているものはまだ多くありません。
Realterm Energy社が開発した「MyTown」アプリは、中小都市のスマートシティ化にあたってプラットフォームづくりの強い味方となっており、北アメリカではすでに30都市360万人が利用しています。主に、住民に必要なサービスの集約、住民と地方自治体がコミュニケーションのとり易い環境作り、観光客の集客につながる情報の発信などで利用されています。
「MyTown」アプリの主な機能
- ニュース&イベント:地域のイベント情報や重要なニュースの発信
- 情報共有:生活のトラブル(道路のくぼみや落書きなど)や観光客が感じた問題などの共有
- SNS連動:町のFacebookやTwitterなどの最新情報の共有
- 案内サービス:各所連絡先の検索
- スマートマップ:位置情報を通じて地域の天気情報などを共有
- ホットライン:匿名で通報を受け、スマートマップと連携し、適切な機関が迅速に対応(地図上で800フィート領域内の傾向分析に利用される)
「MyTown」アプリのアドオン機能
- Active Living Map:サイクリングやハイキングコース(ロッカー設置所)、駐輪場や公共施設(図書館)などの情報
- Discover:宿泊施設、観光スポットなどの情報
- Trails:トレイルマップの作成機能
- School and Bus Alerts:学校・スクールバス案内、地域の学校一覧情報
- Careers:地域の求人情報
- Aquatics Schedule:地域のプール施設やスケジュール情報
- Skating and Shinny:地域のスケート・ホッケー施設とそのスケジュール情報
- Virtual Reality:町の魅力を発信するため、動画や写真、VR体験ツアーができる機能
- Parks and Recreation:公園や運動施設などのスケジュール情報
- Business Directory:地域の産業、ビジネス情報
- Garbage and Recycling:ゴミ回収とリサイクルについての情報
- Roads and Planning:工事・拡張などの道路情報
- Hospitals:緊急時の病院検索、地域の病院情報
- Elections:候補者、投票場所などの選挙情報
- Overnight Parking:駐車場検索、夜間駐車料金や駐車規則などの情報
- Have Your Say:住民からの意見・要望、町からの回答や連絡機能
- Government:地方選出役員に関する政府の情報
「MyTown」の目的
地方自治体にとって、「MyTown」アプリが住民や観光客をつなぐ入口的な役割となり、様々な情報を双方向に利用することができるようになります。
「MyTown」アプリを導入することにより、住民や観光客にとってよりよいコミュニケーションツールとして、地方自治体からのサービスや情報が便利に提供できることを目的としています。
「MyTown」の対象
中小規模の自治体を対象としており、住民、観光客などが必要とする情報を共有することができます。
「MyTown」のメリット
「MyTown」アプリは、多くの機能を搭載することにより、町のスマートシティ化への大きな足掛りとなっています。
- 情報が集約されている
様々なサイトでの検索や、複数の地域情報を調べるといった手間が省け、ひとつのツールで、一度に情報を得ることができる - 操作しやすい画面で、スマートフォンから簡単にアクセスできる
- 町のおすすめ情報や魅力を観光客に伝え、集客につなげられる
- スマートシティ化による生産性や効率性の向上
町の運営コスト削減につながる - 住民や観光客からの意見・要望が収集できる
住民や観光客からの意見・要望・苦情などの連絡、地方自治体の方針や考えなどがわかり、町への関心がたかまる - 公共料金の支払いや契約手続きの申請などができる
一般的な都市サービスの料金支払いや、現在契約しているサービスの変更やオプション追加など、申請手続きができる - 町の治安改善につながる
アプリを利用することにより、住民や観光客からの情報提供が迅速になり、公共の安全やセキュリティ強化につながる - 町の資源を守ることができる
アプリで得られた情報から、無駄なコストを削減することができる - 「Smart Maps Asset Management」 プラットフォームと統合できる
IoTデータ、スマートシティアプリケーション、クラウドデータ格納庫を1つのインターフェースにまとめることができ、様々なデータを収集することができます。(例としては、大気質、水質、監視カメラ、照明、バス、廃棄物管理、信号機、陸海空車両、騒音、振動、下水排水レベル、駐車場、土壌水分など)そういった情報を分析して町のインフラ整備を行い、よりよい町づくりに役立てることができます。
また、他の地方自治体が行っている取り組みなどの情報も見ることができます
「MyTown」のデメリット
「MyTown」アプリと統合された「Smart Maps Asset Management Platform」にはたくさんの機能があるため、地方自治体によっては、導入が容易ではなく、本格的に運用するまでに時間がかかることも考えられます。
また、すでに利用している専用アプリや情報サイトなど、既存のシステムに力を入れていることにより、新しいプラットフォームへの移行は難しいといった場合があります。
「MyTown」の価格
「MyTown」アプリは無料で利用することができます。
「Smart Maps Asset Management Platform」は有料となり、詳細な価格は公表されていませんが、開発者は手ごろな価格での提供可能としています。
「MyTown」アプリの代替
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GovPilot
地方自治体が、サービスの情報や手続きなどを、一つのシステムでまとめて提供できるように設計されたクラウドベースのプラットフォームです。アプリといったコミュニケーションツールを有したオールインワン機能というよりも、現行の地方自治体が行っているサービスをデジタル化することが大きな特徴といえます。
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Geoteamz City
公共の安全面に特化しスマートシティ化を行うプラットフォームで、警察、消防、救急、公益事業などの自動化を実現するサービスになります。各部門の協力や、地方自治体との連携により、地域の治安維持向上に役立てることができます。また、AI(人口知能)、機械学習、AR(拡張現実)、複数でのチャット機能、クラウドベースのインフラ、スマートマッピング機能など、幅広い先進技術を活用しています。
「GeoteamzCity」と「MyTown」アプリの大きな違いとしては、「MyTown」アプリは地方自治体とのつながりを感じることができる双方向型のスマートシティ化アプリであるということです。
「MyTown」アプリは、中小規模の地方自治体がスマートシティ技術を活用し、その地域特有な資源や特色(強み)などの情報発信をするために、優れたプラットフォームであると言えるのではないでしょうか。