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ロボットとAI:彼らはあなたの仕事を奪うのか、それとも救うのか?

2018年、世界経済フォーラムは、衝撃的な予測を含んだレポートを発表しました。今後4年間で、ロボットとAIによって7,500万人が失業するというのです。

この数字は、今まで映画の中の世界だと思っていた人間を廃人にするターミネーター軍隊の出現を予測させるような衝撃的な数字です。

 

しかし、報告書を読み進めていくと、悲観的にならずに済むような、もっと明るい予測が見つかりました。テクノロジーによって、さらに1億3300万人の新規雇用が創出されるというのです。

これらの数字はすべて新型コロナウィルス蔓延以前の推定値であり、パンデミック後のニューノーマルの正確な性質はまだ明らかになっていません。とはいえ、リモートワークへの移行などが自動化への推進力となっているようです。

では、ロボットがあなたの仕事を奪うことになるのでしょうか?

答えは一言で「イエス」か「ノー」では答えられません。

とても複雑に様々な予測が絡み合っています。

 

あなたの仕事を脅かす可能性のあるテクノロジー

現在、私たちは第4次産業革命と呼ばれる時代の真っ只中にいます。この革命の中心となるのは、それぞれが異なる用途を持つ新しいテクノロジーの融合です。

以下は代表的なテクノロジーです。

ロボティクス

俗に言うロボット。物理的に動くことができる自律的な装置。身近なものではロボットアームや自由に動けるユニットなどがあります。

人工知能(AI)

人間の手を借りずにデータを解釈し、斬新な判断を下すことができる知的機械。現在は、チェスのプレイや金融詐欺の発見など、特定の仕事に特化した「ナローAI」(特化型人工知能)が主流となっています。長期的な目標は、人間の知能に似た「ジェネラルAI」(汎用人工知能)です。

機械学習

原始的だが強力なAIの一種であり、統計的分析を用いて膨大なデータセットを研究するアプローチです。ディープラーニングとも呼ばれます。パターンを記憶することで「学習」し、経験則から将来の分析の質を向上させます。

データアナリティクス

膨大な量のデータを調査して相関関係を発見し、実用的なビジネスインサイト(消費活動や購買意欲を刺激するスイッチ)を得るための手法。データ分析は、データサイエンティストが専門的なツールを用いて行う作業です。

自然言語処理(NLP)

書かれた言語や話された言語を機械が解釈し、人間のように聞こえる応答を生成するためのAI技術。NLPは、チャットボットやAlexaやSiriなどの音声認識アシスタントなどの技術を支えています。

ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)

複雑で応答性の高い手順を学習し、反復的な作業の自動化を可能にするツール。最新のRPAは、一般的な事務手続きの大半を処理することができます。

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モノのインターネット(IoT)

従来コンピューター同士をつなげるだけだったインターネットですが、テレビやデジタルカメラ、デジタルレコーダーや最近話題のスマートスピーカー等の身の回りにあるものにインターネット接続がされるようになりました。その他トラッカー、ゲージ、温度計、カメラなどの小型で単一目的のデバイスもあります。IoTデバイスは、組織の目となり耳となり、業務データの豊富な情報源を提供し、データ分析の質を向上させます。

このほかにも、第4世代の重要なテクノロジーとして、5G、クラウドコンピューティング、3Dプリント、バーチャルリアリティなどがあり、これらは私たちの仕事のやり方に大きな影響を与えることになるでしょう。

つまり、ロボットが人間の仕事を奪うというだけではなく、事態はもっと複雑なのです。この新しいテクノロジーの波は、上から下まで、あらゆる分野に破壊的な影響を与えるでしょう。ブルーカラーの労働者も上級管理職も、同じように不確実な未来に直面していることに気づくでしょう。

一部の労働者にとっては、残念ながら余剰人員の削減を意味します。自分のポジションが陳腐化するか、あるいは業界全体が消滅してしまうのです。Netflixの時代にビデオ店の店員がどうなるかを考えてみてください。

しかし、新しいテクノロジーの発展は、ほとんどの人にとって再教育や新しいやり方の習得を意味します。反復的な作業がより知的に刺激的な仕事に変わることで、人々にとっては多くのエキサイティングで新たな扉が開かれるかもしれません。

また、テクノロジーは、成功を導くための全く新しいツールとなる人もいます。このようなツールを使いこなすプロフェッショナルは、時代遅れになるどころか、これまで以上に需要が高まるでしょう。

 

AIが変革をもたらす5つの産業

スタンフォード大学の比較的楽観的なレポートによると、”ロボットの影響は、時間の経過とともに、人間の労働者をロボットへと置き換えることから、不足する労働者や労働力を補強することへと進化することが多い “としています。

基本的に、自動化は短期的には雇用市場に混乱をもたらし、人々が職を失うことになります。しかし、長期的には、自動化によって経済成長が促進され、以前よりも多くの雇用が創出されると言っているのです。

これまで見てきたところでは、各産業への影響はそれぞれ異なります。ここでは、ロボットがさまざまな分野にどのような影響を与えているかをご紹介します。

金融

最近の米国議会の公聴会で、コーネル大学のマルコス・ロペス・デ・プラド教授は、多くの金融専門家が職を失うだろうと警告しました。”必ずしも機械に取って代わられるからではなく、コンピューターを使ったアルゴリズムを活用した働くための訓練を受けていないからだ “と述べています。

アルゴリズムはすでに金融業界で大きな役割を果たしています。不正行為の検出クレジットスコアリング(融資実行の可否や融資条件を決定する手法)、アンダーライティング(証券などの引き受けの可否や引受条件を算出する手法)などの一般的な業務では、機械学習やデータ分析ツールがよく使われています。また、コンプライアンスに関する業務も、自動化されたものに移行しつつあります。

しかし、スタンフォード大学のレポートによると、銀行の窓口係や顧客サービス係などの低スキルの金融職の一部は、テクノロジーによって一掃されたといいます。しかし全体としては、金融機関がより高度なストラテジストやデータアナリストに移行しているため、関連する雇用者数は0.36%増加しています。

医学

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コロナウイルスのパンデミックは、医療におけるテクノロジーの重要性を示しました。診療所が閉鎖されたり制限されたりする中、医師たちはデジタルプラットフォームを利用して患者に遠隔医療サービスを提供しました。バイタルデータを観察記録するウェアラブル・ヘルス・トラッカーのようなIoTデバイスは、こうした診察を補完するのに役立ちます。

また、ロボットが直接医療サービスを提供することも可能です。日本では、自律型ロボットが介護施設で患者に薬の服用を促すなどの支援を行っています。会話のシミュレーションも可能なので、孤独感を和らげることもできます。

さらに、AIは医師と患者の間の重要な橋渡し役としても機能します。

パンデミックの際には、多くの州がオンラインの自己診断ツールを立ち上げ、人々が自分の症状を確認し、効果的なトリアージを行うことができました。また、医師もこれらのツールを自ら利用することができます。例えば、機械学習システムは、レントゲン技師でも見逃してしまうようなレントゲンのパターンを発見することができます。

製造業

何世紀にもわたって、オートメーションは製造業の仕事を奪ってきました。1970年代には自動車の製造をロボットが担うようになり、残念ながら国内で最も高給取りのブルーカラーの仕事の多くが失われました。

しかし、完全に自動化されたスマート工場に移行する2020年代になっても、人間のスタッフは必要とされています。例えば、シューズブランドのSkechers社。2011年当時、カリフォルニアにある同社の巨大な製造工場では、1,200人以上の従業員が働いていました。大規模な自動化を進めた結果、現在は500人にまで減少しています

しかし、工場に残っている人たちは、より高給でやりがいのある仕事をしています。スケッチャーズ社の技術者チームは、エンジニアリングの学位を必要とせず、コンピュータへの理解と高い問題解決能力があればよいのです。このことから責任者であるWynright Systems社は、自動化によって「新しい世代の労働者に、より高給で重要な仕事を新たに創出することができる」と指摘しています。

法律

弁護士は特異な立場にあります。テクノロジーを採用しなければ、弁護士会の規則に違反する可能性があります。 ABA Model Rule 1.1(アメリカ法曹協会の「法律家職務模範規則」)では、”弁護士は、関連するテクノロジーに関連する利益とリスクを含め、法律とその実務の変化を常に把握しておくべきである “としています。 基本的には、弁護士は、可能な限り最高のクライアントサービスを提供するという倫理的義務を果たすために、法律と技術を組み合わせ日々進化するリーガルテックを理解し、利用すべきだということです。ロボットが請求書作成時間の短縮に役立つのであれば、ロボットの使用を検討しなければならないのです。

ほとんどの実務では、すでに機械学習やNLPツールを使用して、eDiscovery(電子情報開示)などの業務にかかる時間を削減しています。これらのツールはより洗練されたものになってきていますが、法律事務所への要求もより激しくなってきています。出願書類にはIoTデバイスからの出力が含まれることがあり、これらのデバイスは膨大な量のデータを収集することができます。

弁護士にとっては、AIが共同弁護士の役割を果たすようになるかもしれません。 AIツールは驚異的な速さでデータを解析し、多くの法律事務所が判例の発見や戦略の立案に利用しています。また、多くの州でAI裁判官の登場が試みられているように、近い将来弁護士が法廷でロボットと対峙する可能性もあります。

 

AIパートナー – オートメーションの未来

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では、一般的なAIを実現したらどうなるのでしょうか。

医者や弁護士、会計士などがロボット化され、人間の代わりに仕事をするようになるのでしょうか。

人材紹介会社のロバートハーフが発表したレポートによると、最終的には「共生型コンピューティング」と呼ばれる中間的な分野になるのではないかと考えられています。”同レポートによると、「AIが人間から学ぶようになるにつれ、人間はますますAIを使って思考を補強するようになるでしょう」とのことです。

例えば、人間とAIのマネジメントチームを想像してみてください。AIマネージャーは、人間が夢にも思わないようなことをすることができます。例えば、ギガバイト単位のデータを数秒で解析し、最も興味深いインサイトを発見することができます。このデータを使って、AIは会社の戦略をリアルタイムで微調整することができます。

しかし、人間のマネージャーは、どんなに進化してもAIができないとされることができます。人と人とのコミュニケーションは、人間にしかできません。説明したり、教育したり、鼓舞したり、フィードバックに耳を傾けたり、質問に意味のある答えを与えたりできるのは人間だけです。そして人間は、基本的に論理的な機械を超えた方法で、革新と創造を行うことができます。新しいものを作り出すイマジネーションは人間にしか持つことができません。

一つの仕事をめぐって企業同士が争うのではなく、協力してパートナーを組むことに意味があるのです。そして、ドライバーやカスタマーサービス担当者、マネージャーやコンサルタントなど、あらゆるレベルでこうした協力関係が生まれてくることでしょう。人間とAIの共生型コンピューティングは、誰にとっても最高のものになるかもしれません。

 

※機能、2020年10月時点

 

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